日の丸バッテン救援会 ブログ

2014/6/22 13:17にコメント欄のない設定に変更しました

東京地裁、押収品返却を求める準抗告を棄却

7/18、東京地方裁判所刑事第1部は、常野さんの弁護人が6/22に行った準抗告を棄却する決定をくだしました。準抗告は、6/20に麹町警察署の武村悦夫らが行った差押処分について、これを取り消すこと、また、押収物件を返還することを求めたものでした。

地裁の「決定」は、まず、6/26と7/15に警察が還付した物については、「本件申立ての利益が消滅している」としています。弁護人は、7/8の地裁への「申入書」のなかで、次のように指摘していました。

如何なる理由によるものであれ、準抗告の申立てに対する裁判所の判断が遅々としてなされず徒に時間だけが経過した後になって、押収物が捜査機関から被疑者に返還され、したがって準抗告申立ての利益が消失してしまうような結果となるのであれば、それは準抗告制度の存在意義を画餅に帰する事態であると強く危惧するものである。

地裁の「決定」には、時間がかかったことによって準抗告という手続き自体の意義が損なわれてしまったことへの反省の言葉は全く含まれていません。

つづいて、まだ返却されていない10品目について、「決定」は次のように述べて、準抗告を退けています。

まず、本件被疑事実(軽犯罪法違反)の要旨は、被疑者が神社の鳥居に紙片1枚を貼り付けたというものである。一件記録*1によれば、いずれの押収物も、東京簡易裁判所裁判官が発した捜索差押許可状に基づいて行われた捜索差押えにより押収されたもので、本件事案の内容、性質及び犯行後の状況、各押収物の発見場所及び形状、立会人の説明状況等からすれば、いずれも本件被疑事実と関連があり、捜査のため押収する必要があったと認められる。

これは、まったくおかしな話です。まず、簡裁が令状を発行したこと自体が不当であるのに、「決定」はそれを無批判に追認しています。また、靖国神社の鳥居への日の丸バッテンを含む貼り紙という被疑事実と、まだ返されていない10品目とのあいだにどのような「関連」があるのか、なんら具体的な説明を行っていません。たとえば、パソコン。たとえば、常野さんがデモなどでプラカード代わりに使用していたスケッチブック。これらは、常野さんや関係者のプライバシーや思想信条となら大いに関連がありますが、被疑事実とどう「関連」しているというのでしょうか。

私たちは、東京地裁の決定に抗議します。また麹町署に対して、残りの押収物を常野さんが受け取りを委任する弁護人を通して直ちに返却することをかさねて要求します。

なお、「決定」を行った裁判長裁判官は園原敏彦、他の裁判官は大槻友紀と宇野由隆です。

*1:救援会注:特定の事件に関する全ての書類をまとめてファイルしたもの