日の丸バッテン救援会 ブログ

2014/6/22 13:17にコメント欄のない設定に変更しました

日の丸バッテン救援会 解散声明

(転載転送歓迎)

先日速報というかたちでお知らせしましたが,2014年11月26日付で常野さんの不起訴処分が決定しました。また,押収品については,7月14日に一部返還されたことをお知らせしていましたが,その後の弁護士の働きかけもあり9月17日に全ての押収品を取り戻しました。

 

靖国神社に「貼り札」をしたとの嫌疑で家宅捜索を受けたあと、常野さんは救援連絡センターに相談しました。一方、事態を把握した友人は救援会を立ち上げ、靖国天皇制への抗議は正当であり、それへの弾圧は不当であることを訴える声明を発表しました。

 

これには数多くの賛同メッセージとカンパ(会計報告はこちら)をいただきました。注目と支援をくださったみなさまに心から感謝いたします。

 

口頭で1回,書類で4通の出頭要請を常野さんは拒否しました。また,救援会外の方も含めて麹町署に直接抗議を行いました。さらに,常野さんの弁護人からは何通もの意見書を提出しました。このように当該や救援会が孤立せずに弁護士のサポートを受けながら不起訴処分にいたる活動に取り組めたのも,みなさまのおかげです。


一方で,そもそもの家宅捜査と生活に欠かせない品々の押収,それに続く再三の呼び出しなど警察・検察・裁判所のおこないは完全に不当であることを重ねて訴えます。携帯一つにしても,一時的に他者とのつながりを困難にする卑劣な攻撃です。また,警察は,家宅捜索後も常野さん宅を突然訪問したり,デモ参加中の常野さんの名前を大声で叫んで意味不明なジェスチャーを送ってくるなど、心理的なプレッシャーを与えようとしました。

 

携帯電話,パソコンは返されましたが,これらを数か月間持ち去っていた間に解析を行ったと警察は代理で返還を受けた弁護人に対して言っています。「情報」は返還し得ないものであるとも言え,情報機器の押収は不可逆的な被害をもたらします。そこで,弾圧全体への謝罪と賠償に加えて特に以下のように要求します。

 

・警察は常野さんや関係者に対して弾圧による加害について謝罪し,賠償を行うこと。

・警察・検察は常野さんの情報機器から盗み取った情報を全て処分し,データとして残る可能性のある全ての記憶装置を物理的に破壊すること。


そして,警察がこのように被疑事実との関連のないもの,とりわけ情報機器を持ち去り分析したことは,捜査がそもそも常野さんや関係者についての情報収集を目的の一つとしていたのではないかとも思えます。公安警察による人民の街頭行動の撮影や薄気味悪いつきまといなど,情報収集そのものがろくでもないことはもちろんですが,自宅に押しかけて電話やパソコンや書類を強引に持ち去るという手荒な手段までゆるした裁判所の責任は重い。そこで以下のように要求します。


・安易に捜索差押許可状を発行した東京簡易裁判所は常野さんと関係者に謝罪と賠償をおこなうこと。

今回の弾圧では,ささやかな貼り紙に対して家宅捜索がおこなわれたというアンバランスさも注目されたと思いますが,ここでもう一度常野さんの主張を振り返りたいです。「軍国主義植民地主義のシンボルたる靖国神社や、侵略戦争の最高責任者であるヒロヒトの誕生日を祝う昭和の日は粉砕されるべきである」ということです。今回,みなさまの注目と支援もあり,不起訴処分を勝ち取るまで反靖国という主張と表現を孤立させず救援活動を行うことができました。さらなる可能性を思いつつ,日の丸バッテン救援会は解散します。ご支援とご注目に感謝いたします。

  

諸事情を考慮して,カンパ振込情報はシュレッダーにかけました。警察への抗議声明への賛同をお願いするために使用していたメールアカウントの本日分までの送受信メールは削除します。不起訴処分という結果を個別にお知らせすることはしません。声明への広範な賛同と潤沢なカンパをいただけたのは,このブログや手渡しビラだけではなく,事態に関心を持たれた方が様々な場で情報を拡散してくださったおかかげです。この解散声明も,転載・転送を歓迎いたします。また,この件が話題になったときには,当ブログに不起訴処分を受けての解散声明が出ていることをお伝えくだされば幸いです。

 

2015年5月15日

日の丸バッテン救援会

http://hinomaruxq.hateblo.jp/

東京地検公安部検事 金山陽一による「不起訴処分告知書」の画像を以下に添付します。

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日の丸バッテン救援会 会計収支報告

このたびは日の丸バッテン救援会に多くの賛同とカンパのご支援をいただき、本当に有り難うございました。
ご報告が遅くなりましたが、以下に会計収支報告です。
おかげさまで、弁護士費用と経費のすべてをまかなうことが出来ました。


〈収入〉 計 144,901 円
「みんなのQ」口座カンパ 134,901 円
手渡しカンパ 10,000円

〈支出〉  計 113,632 円
弁護士費用 90,000 円
ビラ印刷費 4,420 円
交通費 10,200円
通信費(携帯代替機) 3,500円
携帯修理費(麹町署員による破損)5,000円

雑費(振込手数料)512円

2015年4月22日付で精算を終え、残額(31,269円)救援連絡センターへカンパいたしました。

みなさんのご協力、ご支援にあらためまして感謝もうしあげます。

常野さん不起訴処分!

12月初旬11月26日、常野さんの不起訴が確定しました! ブログでのお知らせが大幅に遅くなってしまい、ほんとにすみません!!! そして、ご支援ありがとうございます。

 

近日中に、これまでの経緯も含めて詳細を報告します。

 

なお、既にいただいたお金で予算がまかなえそうなので、カンパ募集は締め切らせていただきます。どうもありがとうございました。会計報告は、1月中に行う予定です。

麹町署は靖国抗議弾圧での押収品を返せ&捜査を終結させよ!--弁護人申入書

6/20、靖国神社鳥居に貼り紙をしたという軽犯罪法違反を嫌疑として、麹町署の武村悦男らは常野さん宅を家宅捜索し、28品目を押収していきました。約二か月をへたいまでも、そのうち、パソコンや携帯を含む10品目が未返却のままです。

また、これまで警察は口頭で1回、書面で4回の任意出頭要請を行ってきました。常野さんはそのすべてを拒否しています。

8/15、常野さんの選任する弁護人である吉田哲也弁護士は、この状況をふまえ、あらためて麹町署に申入書を発送しました。

 

被疑事件  軽犯罪法違反

被疑者  常 野 雄次郎

 

申入書

 

2014年8月15日

 

警視庁麹町警察署   警備課 

警部補  武 村  悦 夫 殿

 

上記被疑者弁護人  吉 田  哲 也

 

 頭書被疑事件につき、下記のとおり申し入れる。

 

 

第1 2014年6月20日、貴職らは被疑者自宅において捜索及び差押処分(以下、「本件捜索差押」と言う)を行った。本件捜索差押による押収品は、その一部がまだ未返還のままとなっている。とりわけ、未返還の押収品のうち携帯電話、パーソナルコンピューターは被疑者の日常生活にとって必要不可欠なものである。

既に本件捜索差押がなされてから2カ月余が経過している。前記携帯電話、パーソナルコンピューターの解析が未了であるということは、およそありえない事態である。仮に解析・精査が終了していないというのであれば、本件捜索差押は、解析を先延ばしにしたところで何ら支障の生じない物的証拠についてあえて押収をなしたものであって、必要性を欠く違法な捜索差押であると言わざるを得ない。前記携帯電話、パーソナルコンピュータ等は速やかに返還されるべきである。

そして本年6月27日付申入書にも記したところでもあるが、当職は、本件捜索差押による押収品が返還される場合の一切の権限を被疑者から委任されている。前記携帯電話、パーソナルコンピューターの返還にあたっては、当職が直接麹町警察署に赴き受領する。貴職らにおいて押収品の返還のためと称して被疑者に直接連絡をとり、あるいは直接被疑者宅に赴くことのないよう重ねて申し入れる。

第2 本件被疑者は貴職らからの任意出頭の要請に応じていない。

1 しかしながら、

(1)被疑者には任意出頭に応じる義務はないことに加え、

(2)本件で「被疑事実」とされる紙片の貼り付け行為は、付着の態様・程度が極めて低いものにとどまっており、そもそも軽犯罪法第1条33号に言う「はり札をし」た場合には該当しないと思料されるものであり、

(3)しかも、本件「被疑事実」とされる事象については被疑者自らが自己のブログにおいてその動機・心情・主張も含めて詳細に公開・公表をしている。

(4)このことに加えて、既に本件捜索差押がなされてから2カ月余が経過しており、前記のとおり貴職らが押収した物的証拠の解析・精査は終了しているはずである。

2 そうであるから、被疑者の取調べがなされていないことをもって「取調べ未了」として本件被疑事実について捜査を徒に継続することは、「迅速な裁判」を定めた憲法37条1項の精神にも悖り、不当である。本件被疑事実については刑事訴訟法246条の「犯罪の捜査をしたとき」に該当するものとして捜査を終結されるべきである。なお、仮に本件被疑事実を検察官に送致した場合には、被疑者ではなく弁護人である当職に連絡されるよう申し入れる。

以 上

 

麹町署に抗議してきました

7/23、日の丸バッテン救援会では、有志とともに、麹町署に対し抗議の申入書を提出しに行ってきました。宛先は署長・亀井徹夫と警備課 ・武村悦夫です。武村は、常野さん宅への家宅捜索を行なった責任者であり、この日23日に常野さんに出頭するよう4通目の「呼出状」を送ってきている人物です。申入書の内容は以下のとおりです。

申入書
 
2014年7月23日
 
警視庁麹町署
署長 亀井徹夫さま
警備課 武村悦夫さま
 
日の丸バッテン救援会
東京都港区新橋2-8-16 石田ビル5F 救援連絡センター気付 03-3591-1301
メール sadgasga@gmail.com
 
「4月29日…靖國神社第二鳥居で発生した軽犯罪法違反披疑事件(はり札)について」(「呼出状」より)について、御署が常野雄次郎さんに対して行ってきた一連の捜査について、以下のように申し入れます。
 

 
1.
6/20、警備課武村悦夫ら約10名が突然常野さん宅を訪れ、家宅捜索を行い、パソコン、ケータイ、身分証類、卒業証書、薬の紙などを含む28品目を押収していきました。これは東京簡易裁判所発行の令状に基づくものでしたが、令状を請求し、実際に捜索押収をした責任は御署にあります。私たちはこの家宅捜索に対して断固として抗議します。
 
2.

御署武村悦男ら複数の警察官は、その後、2度にわたって突如として常野さんの自宅を訪問しました。これは常野さんに対する嫌がらせであり、抗議します。

 
3.
御署武村悦男は、常野さんに対して計4通の「呼出状」を交付しました。特に、常野さんの弁護人である吉田哲也弁護士による6/27付け「申入書」においては、「任意出頭の要請それ自体によって被疑者を畏怖させ委縮させるものに他ならない」と述べられています。「申入書」は、「被疑者には本件「被疑事実」についての任意出頭に応ずる意志はない。本件「被疑事実」について任意出頭を被疑者に要求することは極めて不当であるのだから、直接被疑者宅に赴きあるいは直接被疑者に連絡をすることは、以降慎まれるよう厳重に申し入れる」と続きます。ところがこれ以降も、武村悦男らは「呼出状」の郵送や自宅訪問を繰り返しています。これはまったく不当なものであり、強く抗議します。
 
4.
家宅捜索で押収された28品目のうち、パソコン、ケータイを含む10品目が未だに返却されていません。常野さんが受け取りを委任している吉田弁護士を通してすべての物をただちに返却することを要求します。
 
5.
2、3にあるように、任意出頭要請や常野さん宅訪問は不当です。常野さんに対する一切の捜査を速やかに中止し、今後一切出頭要請や訪問を行わないことを要求します。
以上

受付で武村に申入れをしにきたむね伝えると、オカムラと名乗る私服警察官(本人いわく、公安ですとのこと)がロビーにやってきて私たちの監視を始めました。慣れ慣れしく話しかけてきたり、電話をかける小芝居を無意味に繰り返すのを適当に無視しつつ、待つこと20分。外出していたらしき武村が戻ってきました。なので、私たちも表に出て、公衆の面前で申入書を手渡すことに。外には武村以外にも、すでに何人か私服公安が。

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(写真中央が武村悦夫、左がオカムラ

 

私たちを見てあからさまに嫌な顔をする武村。かたくなに「申入書は受け取らない」と拒否し、受け取らないばかりか、一斉にこちらを恫喝してくる始末。ならばとこちらも「麹町署の不当な家宅捜査と押収に抗議する!」と書いたプラカードや横断幕を広げ、通行人や署内にいる亀井署長に聞こえるよう、トラメガで申入書を読み上げました。

 

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その間も私たちに罵声を浴びせ、プラカードを破ったり、「通行の邪魔だ」といいつつ歩道いっぱいに広がって、力づくで私たちを道路脇に押してくる総勢15名ほどの麹町署・本庁の公安。名前を聞いても誰一人名乗らず、もちろん警察手帳を見せることもなくひたすら怒鳴り散らす。ニヤニヤと顔を近づけてきては暴言を吐く。「吉田弁護士に連絡するぞ」など、それはこっちのセリフだよと言いたくなるような場面も。大声で騒ぎまくる公安たちの姿に、何事かと足を止める人々で道路の反対側には人だかりが。また通行人のほとんどが、救援会声明のビラを受け取っていってくれました。

混乱の最中にも、隙あらば常野さんに近づこうとし「どうするの?」「お話しする?」とプレッシャーをかけてくる公安たち。「呼び出しには応じません」「押収物を返せ」ときっちり抗議。そうこうしているうちに武村は、申入書の受け取りを拒否したまま、一人そそくさと署内に逃げ戻っていきました。
その一部始終は、インターネットを通じて生中継しましたが、中継をしていた仲間の携帯を奪い取ろうとした公安警察により、携帯電話を破損されるという事態まで起こってしまいました。麹町署は修理代を弁償しろ!
警察による不当な捜査の実態は、あまり知られていないように思います。私たちは申入書の受け取りを拒否した麹町署に、引き続き抗議をしていく予定です。

 

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東京地裁、押収品返却を求める準抗告を棄却

7/18、東京地方裁判所刑事第1部は、常野さんの弁護人が6/22に行った準抗告を棄却する決定をくだしました。準抗告は、6/20に麹町警察署の武村悦夫らが行った差押処分について、これを取り消すこと、また、押収物件を返還することを求めたものでした。

地裁の「決定」は、まず、6/26と7/15に警察が還付した物については、「本件申立ての利益が消滅している」としています。弁護人は、7/8の地裁への「申入書」のなかで、次のように指摘していました。

如何なる理由によるものであれ、準抗告の申立てに対する裁判所の判断が遅々としてなされず徒に時間だけが経過した後になって、押収物が捜査機関から被疑者に返還され、したがって準抗告申立ての利益が消失してしまうような結果となるのであれば、それは準抗告制度の存在意義を画餅に帰する事態であると強く危惧するものである。

地裁の「決定」には、時間がかかったことによって準抗告という手続き自体の意義が損なわれてしまったことへの反省の言葉は全く含まれていません。

つづいて、まだ返却されていない10品目について、「決定」は次のように述べて、準抗告を退けています。

まず、本件被疑事実(軽犯罪法違反)の要旨は、被疑者が神社の鳥居に紙片1枚を貼り付けたというものである。一件記録*1によれば、いずれの押収物も、東京簡易裁判所裁判官が発した捜索差押許可状に基づいて行われた捜索差押えにより押収されたもので、本件事案の内容、性質及び犯行後の状況、各押収物の発見場所及び形状、立会人の説明状況等からすれば、いずれも本件被疑事実と関連があり、捜査のため押収する必要があったと認められる。

これは、まったくおかしな話です。まず、簡裁が令状を発行したこと自体が不当であるのに、「決定」はそれを無批判に追認しています。また、靖国神社の鳥居への日の丸バッテンを含む貼り紙という被疑事実と、まだ返されていない10品目とのあいだにどのような「関連」があるのか、なんら具体的な説明を行っていません。たとえば、パソコン。たとえば、常野さんがデモなどでプラカード代わりに使用していたスケッチブック。これらは、常野さんや関係者のプライバシーや思想信条となら大いに関連がありますが、被疑事実とどう「関連」しているというのでしょうか。

私たちは、東京地裁の決定に抗議します。また麹町署に対して、残りの押収物を常野さんが受け取りを委任する弁護人を通して直ちに返却することをかさねて要求します。

なお、「決定」を行った裁判長裁判官は園原敏彦、他の裁判官は大槻友紀と宇野由隆です。

*1:救援会注:特定の事件に関する全ての書類をまとめてファイルしたもの

4通目の「呼出状」

7/15、常野さんのもとに麹町署警備課、武村悦夫から「呼出状」が郵送されてきました(前日付け)。23日に出頭を求めるものです。これで、「呼出状」は4通目となります。6/20の家宅捜索後に近隣警察署への同行を求めたのも含めると、5回目の任意出頭要請となります。

常野さんは、これまでと同じように、呼び出しに応じない考えです。私たちは、その意志を支持するとともに、もう「呼出状」を送付しないよう警察に要求します。